こんにちは、パティシエライターのうにゅです!
今回は、パティシエの仕事は普段どんなことをするのか、1日のスケジュールはどんな感じなのか、というのを私の経験を元に綴っていこうと思います。
『パティシエのリアル』と聞くと、結構マイナスな話が多そうですが、実際はマイナスな話ばかりではないです。パティシエになりたい!と思っている方や、個人店かホテルか業種に迷っているという方の参考になれば幸いです。
一個人の経験談なので、鵜呑みにせず、1つの例として見ていってね!
個人店パティシエの1日
では早速、仕事の日の私の1日を紹介します。ざっとこんな感じで毎日働いていることが伝われば幸いです。
大前提として知っておいていただきたいのは私が働いていたのは『3〜4人で製造を回す小規模個人店』ということです。いわゆる地域のケーキ屋さん的なところですね。大型個人店では全くシステムが異なるので、そのあたりはまた違う記事で詳しく解説していきます。
起床〜仕事開始
◯a.m.5:00 起床、朝食、支度
◯a.m.6:00 出発
◯a.m.6:30 仕事開始
基本的に朝早いので、勤務先を選ぶ際『家から30分圏内』の場所を選ぶように言われるよ!
朝の作業
◯a.m.6:30~8:00
・その日お店に並べるケーキ、予約のケーキを仕上げ、作成
・ロールケーキの生地を仕込んで焼成
・シューの皮を焼成
(・カスタードを炊いて、すぐに冷やして、生クリームと合わせる)
◯a.m.8:30~9:00
・お店にケーキを並べる
・ロールケーキを仕上げる
◯a.m.9:00~9:30 洗い物などの片付け、その日仕込む内容のミーティング
朝は時間との勝負!途中から後輩に指導もしていたから、常に2個先のことを考えながら仕事をしてた!
午前の作業
ここからは、ケーキなどの生菓子を作る生場と、焼き菓子やスポンジなどの生地類を仕込む焼き場に分かれます。私は生の人だったので、そちらの仕事を書いていきます!
◯a.m.9:30~11:30 約2時間くらいで1日の仕込みとケーキカットを終えます。シェフと私2人で分担しながら仕事を進めていきます。
『メニュー例』
・ショコラタルト仕上げ、カット、フィルム貼り
・ピスタチオケーキカットフィルム貼り
・いちごのムースケーキ仕込み(大きいのを4枚くらい一気に仕込んで次の日カットします。)
・マロンブリュレ仕込み
・モンブラン組み立て、仕上げ
◯a.m.11:30~12:00 タルト生地や焼き菓子で使う生地を機械で伸ばして、型へ敷き込みます。
◯a.m.~12:30頃 午後の準備をして、休憩へ。(1時間ちゃんと取れてました。)
基本的に1回の仕込みで100個分くらいになるよ!1種類あたり閑散期だと週1、繁忙期は3日に1回仕込んでました。メニューが少なくても多くても、時間は変わらないから大変…!
午後の作業
◯p.m.13:30頃~15:00
・午前中に仕込んだものを片付け
・ゼリーや艶出しのナパージュ、クランチなど細々した仕込み
・お店のケーキの補充
◯p.m.15:00~16:00 明日の準備をします。グレープフルーツやオレンジを切ったり、生クリームを用意したりします。発注もこの時やってました。
◯p.m.16:00~17:00 掃除が終わり次第、全員で帰宅。
〜終了〜
これで基本的な1日が終了です。
私が働いていたお店は、とにかくスピード重視のお店だったので、どんなに忙しくても帰る時間は16〜17時くらいと決まっていました。夏とかだとこれより早く帰れる日もあれば、冬は少し遅くなる日もあります。
一般的なパティシエのイメージは、朝早く〜夜遅くまでというイメージだと思います。私は例外でしたが、友達の洋菓子店は早朝〜22時くらいまで見たいなところもあるそうなので、本当に『場所による』という一言に尽きます。
そういう点を知る上でも、インターンやアルバイトは本当に貴重な経験で大事と言えます。
パティシエとしての1日で特に大変だったこと3選
パティシエとして仕事をしていると、1日過ごしているだけでもトラブルや上手くいかないことが何個か出てきます。その中でも特に私が苦労した、大変だったことを正直に3つ紹介します。
人間関係
はっきり言ってしまいますが、個人店だと人間関係はとても構築が難しい場合があります。数人の小さなコミュニティにずっといるので、もし自分と合わない先輩やシェフがいても、逃げ出すことができずじまいになってしまいます。年によっては、同期や後輩が入ってくることもないかもしれません。もちろんお店によると思いますが、個人店を考えている際は、予めインターンや職場見学の申し込みをしておくことを、おすすめします。
忙しいとなかなか仕事を教えてもらえない
個人店に限らず、忙しい時期はなかなか新しい仕事を教えてもらえないことが多いです。こちらは正直仕方ない事なのですが、忙しい時期に仕事ができないと、何をして良いかわからなくなってしまったり、それこそ理不尽に叱られてしまって落ち込んだりします。
そのようなことを回避するには、入社したら積極的に先輩とコミュニケーションを取って、意欲的に仕事を教えてもらうのが良いでしょう。教えられたことを的確にやるのももちろん大事ですが、プラスアルファで自分から教えてもらいに行くことも大切です。「自分はまだ新入社員だし…」という考えは捨てて、閑散期の比較的仕事が少ない夏場に、1つでもできることを増やしましょう。
自分のスキルよりも高度なことを求められる
小さな個人店の場合、入社後にすぐ仕事を任されることが多いです。私の場合、入社初日の一番最初の仕事が、ロールケーキの巻き、その後チョコタルト10台分のクリーム絞り、仕上げ、カットでした。専門学校時代、教わっていたこととはまるで違ったので、最初は失敗して叱られていましたが、家で練習しながら1つずつ仕事を覚えていきました。
1日のうちでパティシエの仕事が楽しい時間はある?
正直に言ってしまうと、最初の半年間は本当に辛かったです。毎日できないことの連続で、失敗してしまうと「もうやらなくていい」と言われてしまう時もありました。ですが、半年くらい経って、ちょうどモンブランを任されるようになったくらいから、時間内にケーキ仕上げていくのって楽しいなと思うようになってきました感覚があります。
もちろんその後のクリスマスとか、年末年始も大変なことは山ほどありましたが、1人でできる仕事が増えてくると、楽しいと感じることも多かったです!
最初の方は、仕事のスキルよりも、積極性とコミュニケーション能力の方が大事かもしれない!
パティシエやるならホテルと個人店どっちがいい?
こちらはまた後日詳しい記事としてあげたいと思いますが、正直どちらが良いとかはないと思います。ただ少しでも早くスキルを磨きたい方は、少々きつくても小さな個人店の方がおすすめです。
ホテルや大型個人店の場合、パティシエの人数が10人以上入るので、入社してポジションが決められるとそこから数年はポジションを動けず下積み、ということが多いです。その代わり、仕事やアドバイスを丁寧に教えてもらえることも多く、時間をかけて学びたい方には向いていると言えます。
小さな個人店の場合、パティシエの人数は2〜4人程度しかいないため、その分色々な仕事を入社からすぐに任されることが多いです。その代わり、できる前提で仕事を振られることが多かったので、個人での練習や反復学習、自分から教えてもらいに行く行動力は欠かせません。
比較対象を例えると、スポンジにクリームを塗る『ナッペ』という作業は、個人店勤めの私の場合、半年後には任されていましたが、ホテル勤務の同期は、5年以上の先輩がやっていると言っていました。
このようにどちらもメリット、デメリットはあるので、少しでも情報を集めて自分に合った職場環境を選ぶのが一番大切と私は考えています。
パティシエのリアルを知ろう
今回は私の経験談をもとに、パティシエの1日を紹介していきました!
改めて1日のスケジュールを見返しても、正直、パティシエ時代は大変なことばかりでした。ですが、人として成長できたと思える点はいくつもあり、元職場の方々にはとても感謝しています。パティシエは、生半可な気持ちで足を踏み入れるにはかなりハードな職業ですが、自分を磨き続けたいというタイプの方にはぴったりの職業だと思います!
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